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引退する重鎮に後継候補3人プラス1
一方、ニューヨーク選出の連邦下院議員候補者も予備選（2026年6月）に向けて動き出している。
現在ニューヨーク州選出の下院26議席は、民主党19議席、共和党7議席。全員改選だ。
ニューヨーク州からは、民主党の大物議員のハキーム・ジェフリーズ少数党院内総務、ジェリー・ナドラー前下院司法委員長や、知名度抜群の党内左派の象徴的存在、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員らが選出されている。
このうち、当選回数17回、在任30年以上のナドラー氏（78）が今期限りで引退する。
選挙区は、マンハッタン、アッパー・ウエスト、アッパー・イーストの強固な民主党の地盤区。トランプ・オーガニゼーションのビジネス拠点もここにある。
州議会議員ら3人が後継候補として名乗りを上げていたが、11月11日、ジョン・F・ケネディ第35代大統領の孫、ジャック・シュロスバーグ氏（32）が出馬を表明、後継候補に加わった。
同氏は、キャロライン・ケネディ元駐日米大使の長男。
イエール大学（日本史などの歴史学専攻）を卒業後、母親の赴任地である日本に移り住み、サントリーのグローバルビジネス開発業務部や楽天に勤務。
帰国後は米国務省海洋・国際環境・科学問題局のスタッフ・アシスタントをする一方、ハーバード法科大学院・経営大学院の合同プログラムで法務博士号と経営学修士号（MBA）を取得している。
（John Bouvier "Jack" Kennedy Schlossberg | JFK Hyannis Museum）
トランプ第2期政権では、ロバート・ケネディ元司法長官の次男、ロバート・ケネディ・ジュニア氏が保健福祉長官（厚生長官に相当）に就任したが、他のファミリー・メンバーは反トランプ・スタンスを貫いている。
シュロスバーグ氏は、これまでことあるごとにメディアやSNSでトランプ氏を批判してきた。
●トランプ氏は、ホワイトハウスの庭園（ジャクリーン・ケネディ・ガーデン＝ローズガーデン）を改修、破壊した。
●私の祖母（ジャクリーン・ケネディ）は米国をフルカラーで見ていたが、トランプ氏は白黒で見る。トランプ氏は伯母が植えた花の場所にコンクリートを注いだ。
●トランプ政権は、ケネディ大統領の暗殺関連文書を公開して、自己ブランド強化を図っている。トランプ氏は私の祖父ではなく私の祖父の死体にしか関心がない。
●トランプ政権下での社会プログラム（医療、教育、子育て支援など）の削減は、国家的危機（crisis at every level）だ。トランプ氏は立法・行政・司法の三権を支配し、市民の権利を剥奪し、批判者を黙らせている。
（Jack Schlossberg, grandson of JFK, to run for US Congress | Reuters）
シュロスバーグ氏は下院選出馬にあたり、第一声でこう訴えた
“There is nothing our party can’t do to address costs of living, corruption and the constitutional crisis that we’re in. But without the control of Congress, there’s almost nothing that we can do.”
「我が党には物価高騰、汚職、憲法危機といった現状課題に対処できないものはない。だが、それは下院の掌握なしには実現が困難だ」
（Jack Schlossberg, grandson of JFK, to run for US Congress | Reuters）
