8区の工藤慎作が30年ぶりの日本人最高記録
前回5位の早大は4年連続の1区となる間瀬田純平(4年)が0秒差の2位と好発進。2区の鈴木琉胤(1年)に絶好の位置でタスキをつなげた。
先頭集団はスーパールーキーを軸に進むかたちになった。最後は中大・吉居駿恭(4年)の強烈スパートに対応できなかったが、鈴木は31分15秒の区間4位。トップと3秒差の4位で中継した。
「鈴木は出雲のダメージがあったので、今回は8割ぐらいの状態でした。それでも設定タイム(31分10~20秒)で、リクエスト通りに走ってくれたのは素晴らしいと思います」と花田勝彦駅伝監督が絶賛する走りを披露した。しかし、続く3区は堀野正太(1年)にとって“重い区間”になってしまった。
もうひとりのルーキーは先輩たちの猛攻を防ぐことができず、区間13位。チーム順位を7位まで落とすかたちになったのだ。その後も4区吉倉ナヤブ直希(2年)、5区小平敦之(3年)、6区伊藤幸太郎(4年)が懸命につないだが、思うように順位を上げることができない。
当日変更で7区に入った山口智規(4年)も出雲(2区で区間賞)のような爆発力を発揮できずに区間4位。しかし、5位の帝京大を51秒差で追いかけた“山の名探偵”が圧巻の走りを見せる。
工藤慎作(3年)は先輩・渡辺康幸が保持していた8区の日本人最高記録(59分59秒)を5秒上回る56分54秒で区間賞を獲得。帝京大をかわして、トップファイブを確保した。
「山口は前半区間を予定しており、7区の準備は10日ほど前からでした。箱根に向けた練習のつもりで走らせましたので、まずまず合格点だと思います。工藤は私の想定よりも40秒以上良かった。言うことないですよ。箱根で勝つなら、山口と工藤のふたりが区間賞を取るぐらいの活躍をしないといけない。工藤が5区をやるとなったら区間新記録がひとつの目標になるでしょう。往路優勝はしたいので、そこに向けたチーム作りをしていきたいと思います」(花田監督)
今回の早大は前回7区5位の長屋匡起(3年)、箱根駅伝6区5位の山﨑一吹(3年)、同3区3位の山口竣平(2年)。それと出雲駅伝4区6位の佐々木哲(1年)がメンバーに入ることができず、苦しいオーダーになった。
主将・山口は、「1年生の堀野は酷な役割になりました。そこは上級生の反省点です」とチームの足並みが揃わなかったことを悔やんだ。その一方で、「今までの弱い早稲田とは違う早稲田を見せられたかなと思います」と手応えもつかんでいる。
そして最後の箱根駅伝に向けては、「個人としては2区を走らないといけないと思っています。このままでは黒田君に1分以上の差をつけられると思うので、区間賞争いできるように仕上げていきたい。ピンチだった全日本で5位に入り、ホッとする部分もありますが、さらに上を目指す意識を浸透させていきたいと思っています」と燃えている。
全日本は“5強”と評されていたチームが上位を占めたが、帝京大は2区で楠岡由浩(4年)が区間タイ記録をマークして6位に食い込み、創価大は留学生が不発ながら7位に入った。2026年の箱根駅伝は大混戦になるかもしれない。
