『伊勢物語』は浮世絵の題材にも
『伊勢物語』は浮世絵師によっても描かれている。鈴木春信《見立伊勢物語 筒井筒》(11/18~12/7展示)、勝川春章《風流錦絵伊勢物語 り(筒井筒)》(11/1~11/16展示)は、古典の教科書などでもおなじみの第23段「筒井筒」が題材だ。
筒井筒(井戸の囲み)の周りで背比べをして遊んでいた男と女が成長し、やがて夫婦となる。だが、妻の親が亡くなり暮らしが貧しくなったため、夫は他の女のもとに通うようになってしまう。しかし、妻はそんな夫を送り出す時にもまったく怒りの素振りを見せない。 男は妻にほかに男がいるのではないかと思い、出かけたふりをして様子を隠れてうかがっていると、妻は綺麗に化粧をし、夫の身を案じる歌を詠んでいた。妻の心を愛おしいと感じた男は、妻の元へと帰っていく。
鈴木春信と勝川春章の作品は、どちらも筒井筒の周りで背比べをするシーンを描いたもの。2人は未来のことなど知る由もなく、ただただ無邪気に時を楽しんでいる。
在原業平生誕1200年記念特別展「伊勢物語 ―美術が映す王朝の恋とうた―」
会期:開催中~2025年12月7日(日)
会場:根津美術館
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし11月24日(月・休)は開館、翌火曜休館)
お問い合わせ:03-3400-2536
https://www.nezu-muse.or.jp/





