「ジャパンモビリティショー2025」で発表されたスズキの軽EVコンセプトモデル「vision e-Sky」と同社の鈴木俊宏社長(写真:つのだよしお/アフロ)
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(井元 康一郎:自動車ジャーナリスト)

火花を散らす「VISION e-Sky」と「RACCO」

 10月31日に開幕した第2回「ジャパンモビリティショー2025」。大型トラック、超高級車から軽自動車、さらには超小型モビリティと多種多様なクルマが出品されている中、軽自動車のBEV(バッテリー式電気自動車)を巡り、軽自動車のマジョリティカンパニーであるスズキと、日本市場へ軽BEVの投入を表明している中国の自動車メーカーBYDが火花を散らせていた。

 スズキが出品した軽BEVはシンプルなヒンジ式スイングドアを備える低車高5ドアハッチバックのコンセプトカー「VISION e-Sky(ビジョンeスカイ)」。

 対してBYDは日本の乗用車の全ジャンルの中で最も販売台数が多い軽スーパーハイトワゴン。こちらはコンセプトカーというよりは発売2段階前の生産試作に進んだ参考出品車で、「RACCO(ラッコ)」という商品名がつけられていた。

 どちらも発売時期は来年度を予定している。片や軽のプロ、片やBEVのプロ。その“両雄”が作る軽BEVは、はからずも両社のフィロソフィの違いを明瞭に表している。