2030年代後半以降は外国人労働者の流入があっても労働力人口は減り始める(写真:baking/イメージマート)
(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト)
<日本人減少、外国人増加>
総務省の人口推計によれば、総人口は2008年の1億2808万人をピークに減少傾向にある。
暦年ベースで特に落ち込みが大きかったのは2021年だ。2021年に総人口は1億2550万人へ急減、前年差▲64万人、前年比▲0.51%と過去最大の減少幅を記録した。その背景にはコロナ禍がある。
コロナ感染症や、運動不足に伴う循環器系疾患により死亡数が増加したほか、婚姻機会の縮小により出生数が大幅に減少した。さらには、コロナ禍後に外国人が(一時的ではない)帰国を選択する動きが膨らみ、東日本大震災後の2012年以来となる減少を記録した。コロナ禍が複数の経路で影響したのだ。
2022年以降も、総人口は減少が続いているが、減少ペースは若干和らいでいる。2024年の総人口は1億2380万人。前年差▲55万人、前年比▲0.44%の減少幅だった。
少子化の深刻化などにより日本人人口の減少ペースが加速しているものの、外国人人口が増加へ転じ、かつそのペースが加速し、総人口の減少ペースが若干なりとも抑えられている状況だ。

外国人人口の変動を考える上では、3つの統計が参考になる。