ミャンマーの被害は報道してもタイの「人災」には触れない中国メディア
中国でも、ミャンマーで大地震が発生したことは、連日伝えている。隣国で起こった「天災」だけに、マンダレーに取材チームを派遣したりして、むしろ日本での報道よりも多いくらいだ。
ところが、隣国タイで起こった「人災」については、中国では沈黙したままなのである。事故発生時にはいくつかの記事が出たが、たちまち削除されてしまった。「中鉄十局」は、自社のホームページまで閉鎖してしまった。
中国で削除された記事の一つが、3月28日に『鳳凰ネット』が報じた「バンコクで震災で倒壊したビルは中鉄十局と、別のタイ企業がジョイントで請け負ったタイ会計検査院ビルだった」というタイトルの記事である。その大意は以下の通りだ。
〈タイのメディア『タイPBS』は本日報じたところによれば、タイ会計検査院の副院長兼報道官のSutthipong Boonnithi氏はこう述べた。ミャンマーでの7.9クラスの地震(タイ気象台は8.2クラスと発表)により、バンコクのChatuchak地区にある会計検査院は、いままさに新しいビルを建設中だったが、すべて倒壊した。現在、プロジェクトの3割が完成していた。Sutthipongは事故後、すぐに現場を視察し、損失状況を調査した。
この新たなオフィスビルは30階建ての高層建築で、総建設予算は21.36億バーツ(約94億円)。2020年に着工し、その後、新型コロナウイルスの影響で一時停止した。プロジェクトは、中国中鉄十局(タイ)とイタリアのITD-CRECがジョイントで請け負っていた〉