健康で時間に正確、好奇心旺盛な将軍
最後に、家斉の人となりをご紹介しよう。
家斉は健康で、時間に正確な好奇心旺盛な将軍だったという(竹内誠・深井雅海・松尾美恵子『徳川「大奥」事典』)。
酒宴を好み、毎晩のように催しては痛飲していたが、晩年に一橋家から慎しむように進言されると、節酒に舵を切っている。
運動神経もよく、特に鷹狩りの技術に優れていた。
本をよく読み、花を愛したという。
天保8年(1837)、将軍の座を次男の徳川家慶に譲ってからも、家斉は大御所として実権を握り続け、天保12年(1841)閏正月に、69歳でこの世を去った。
ドラマの家斉はまだ、将軍としての道を歩き始めたばかりである。