8月12日、エンゼルス戦での大谷翔平の打席(写真:AP/アフロ)
目次

(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)

 ドジャースのあの温厚なロバーツ監督が、珍しく大谷翔平のプレーに苦言を呈した。8月10日の本拠地でのブルージェイズ戦に4-5で逆転負けした試合後のことである。

 一つ目のプレーは6回の三盗失敗である。

 1点リードしていた6回裏、二死一、二塁の場面だ。フリーマンの打席の初球、あろうことか二塁走者大谷は、三盗を試みてアウトになったのである。

8月10日、ブルージェイズ戦で三塁への走塁を試みる大谷翔平(写真:共同通信社)

 ロバーツ監督は「それは彼の判断だったが、いいプレーとはいえなかった」といった。

 1点リードしているとはいえ(大量リードならまだしも)、三盗を試みるとは、素人のわたしでも、いったい何年野球をやってるんだといいたくなる。

 もうひとつのプレーは、1点を追う9回一死満塁での三振である。こっちのほうが致命的だ。

 大谷はフルカウントから、見送ればボールの低めの球に手を出して、あえなく空振りの三振に倒れたのである。

8月10日、ブルージェイズ戦の9回、1死満塁の好機で空振り三振に倒れた大谷翔平(写真:時事通信社)

「彼が三振に倒れるとは思ってもみなかった。あそこで1本出さなきゃいけなかった。低めのボール球に手を出すのは、絶対にあってはならないことだ」

 ロバーツ監督のこの大谷批判に対して、あるメディアは、「ロバーツ監督は大谷でさえ批判を免れていないことを証明した」との見解を述べた(「大谷でさえ批判は免れない」「敗戦の責任を41号を放った翔平に負わせるのは酷だ」ロバーツ監督の2つの“大谷批判”が全米で波紋、RONSPO、2025.08.12)