人間とAIエージェントが共存する社会はどのような姿に?(筆者がWhiskで生成)
(小林 啓倫:経営コンサルタント)
複雑で多種多様なタスクを、人間に代わって実行してくれる「AIエージェント」。それはまだ発展途上の技術だが、ここ数年でさらに高度化し、さまざまな分野に普及する可能性が高い。
それでは大量のエージェントが日常的に利用されるようになったとき、社会にはどのような影響が出るのだろうか。ここではインターネット、労働と経済、社会的リスクという3つの観点から整理してみたい。
◎【AIエージェント入門①】ChatGPTの次に来る革命的サービス、AIエージェントとは何か?(JBpress)
◎【AIエージェント入門②】人間に代わってさまざまなタスクをこなすAIエージェント、実際に何ができるのか?(JBpress)
インターネットは「人間だけが見るもの」ではなくなる
インターネットは、AIエージェントの普及によって大きな変化を遂げると考えられている領域のひとつだ。
日常の物理的な世界と違い、インターネット上では、AIエージェントは人間とほぼ同じように活動できる。第2回の記事でChatGPTの「エージェントモード」を使用したところを紹介したが、その例からも分かるように、AIエージェントは人間とまったく同じようにウェブサイトを操作することが可能だ。
その結果、インターネット上で何らかのサービスを提供する人々(ウェブサイトの管理人やECサイトの運営者、インターネット広告のプラットフォーム運営者など)は、「自分たちが相手をするのは人間だけとは限らない」という前提で、サービスのすべてを組み替える必要が生まれる。
例を挙げよう。以前の記事で、「AAIO」という概念が登場していることを紹介した。これは「エージェント型AI最適化(Agentic AI Optimization)」の略で、かつてのSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)のように、AIエージェントが自社のウェブサイトを見つけやすくなる・読みやすくなるようさまざまな工夫を施す行為を指す。最近では単に「エージェント最適化(AO)」と呼ばれる場合も多い。
なぜそのような対応をするのか。それはもちろん、AIエージェントが人間の代理としてウェブ上で活動することが増えるためだ。