写真:Everett Collection/アフロ
40か国以上で配信直後から1位獲得
2025年6月、ネットフリックス(Netflix)で公開されたアニメーション映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ(K-POP Demon Hunters)』が、40か国以上で配信開始直後から1位を獲得し、かつてない世界的ブームを巻き起こしている。
その人気の秘訣はどこにあるのか、多角的に分析してみた。
最大の特徴は、「K-POP×悪霊退治」という奇抜でユニークなコンセプトだ。
主人公は世界的人気K-POPガールズグループ「ハントリックス」。
華やかなステージの裏で、実は彼女たちは悪霊から人々を守るデーモンハンターでもある。
これに対抗するのは、カリスマ性あふれるボーイズグループ「サジャボーイズ」。
彼らの正体は実は悪霊という、巧妙に仕組まれた二重構造がストーリーテリングを一気に深めている。
従来のアイドルアニメやバトル作品にはなかった新鮮な組み合わせ、そして緻密に描き込まれた韓国文化のディテール。
例えば、劇中には韓国のインスタントラーメンやキンパなどのKフード、韓方(韓国でアレンジされた漢方)の知恵が活かされた退魔アイテム、南山タワー、韓国伝統家屋、虎や死神(サジャ)といった固有のファンタジー要素がふんだんに散りばめられている。
しかも、これらがただの「お国自慢」だけに終わっていない。
ストーリー上のユニバーサルな要素――成長物語、友情と愛、正義と迷いが見事なバランスで融合している。
これらの点が、広い層に受け入れられた理由といえる。