高金利商品にはご用心=イメージ(写真:MeshCube/Shutterstock.com)
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ファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、「退職金」の運用で不安を感じている父と娘。銀行から高金利の「退職金運用プラン」を提案され、退職金2000万円を預けて良いものか悩んでいます。

(高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー)

(注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください)

 今回、ご相談にやってきたのは、40代の娘さんA子さんと60代のお父さんC男さん親子。A子さんは、メーカーの総合職として働く会社員。一方、C男さんは、長い間勤務していた会社を定年退職し、退職金2000万円を受け取ったそうです。

 退職金が入ったC男さんに銀行から高金利商品を提案されており、購入を検討しているとのこと。C男さんは、すぐにでも購入しようとしていたそうですが、慎重なA子さんはお金の専門家に意見を聞いてみようと思い、私のところにご相談にいらっしゃいました。

金利表示のからくりに要注意

 まず、C男さんのお話をする前に、金利表示のからくりについてお話します。

 最近は、金利上昇に伴い、銀行の預金金利も上昇しています。銀行もこれをチャンスと捉え、預金を集めることに力を入れています。各銀行のHPを見てみると、定期預金の口座を新規に開設すると「金利が年3.0%」など、魅力的な金利が目に飛び込んでくることも少なくありません。

 下記の広告例をご覧ください。こちらは架空の商品ですが、これを見て100万円を預けた場合の利息が3万円だと思った方はおそらく、「100万円×3%=3万円」という計算をしたと思います。ところが、よく見るとこちらの商品は、「3カ月もの」の定期預金です。3カ月ものとは、3カ月で満期を迎える定期預金のことです。

高金利の定期預金キャンペーンの広告のイメージ(作成:(株)Money&You)

「3カ月もの」の定期預金の金利が「年3%」ということは、3カ月間でもらえる金利は3%の4分の1ということになります。つまり、0.75%です。したがって、この定期預金に3カ月預けることでもらえる利息は「100万円×0.75%=7500円」です。

 さらに注意したいのが税金です。