なぜ母が…
亡くなった井野さんの長女・広瀬すみれさん(32)は、記者会見で声を震わせながら訴えました。
「救急搬送された後、私はLINE電話越しに母の痛ましい姿を見ております。母の顔はすごく腫れていて、目はテープで閉じられており、全身がいろいろなチューブにつながれていました。もちろん喋れません。そのときのことは、1年3カ月経った今も、鮮明に覚えています。本当に見るに耐えない姿でした」
真寿美さんは複数の内臓が破裂し、肝臓には亀裂が入っていました。腎臓と脾臓については緊急の摘出手術を受けましたが、あらゆる臓器から出血が止まらず12時間後に息を引き取りました。死因は多発性外傷でした。
「どうしてあんなひどい状態になったんだろう……、私はあのときから、ずっと疑問を抱き続けていたのですが、事故の全容が明らかになるにつれ、加害者がいかに悪質で危険な運転をしていたかを知ることになり、ショックを受けました。母は、危険な行為の積み重ねに巻き込まれ亡くなったのです」
すみれさんの兄で、長男の中田康介さん(36)も、会見場に集まった記者たちにこう訴えました。
「私たちは、最愛の母をアルコールの影響による危険な運転で奪われました。たくさんの生徒さんや仲間の皆さんに愛され、可愛く、エネルギッシュだった母が、なぜこれほど無残な死に方をしなければならないのか、まったく理解ができません。今回の件は、到底、『過失』ですまされるはずはないと思っています」
