例えばこういう具合だ。

「削除される前に見てください。ついに大変な事態が発生しました」「習近平失脚!」「【石破終了】経済界のドン北尾会長 ブチギレ→石破内閣終了のお知らせ」「速報!野田佳彦派壊滅!今晩にでも退陣表明」

 内容もインチキなのが多い。やたら日本礼賛の番組が多いが、そのほとんどが偽物の感動物語を作っているのだ。

 さらに細かいことをいえば、AIによるニュース記事の読み上げがひどい。「ある種の」を「あるたねの」と平気で読んでしまう。こんなのはざらである。

 AIの文字起こしもひどい。同音異義語の間違いが頻繁である。

 こういうことのチェックはしないのか。人手不足、資金不足、時間不足なのだろうが、YouTubeはこういうところがまだまだ未熟である。

テレビや雑誌からは得られない情報があるのもたしか

 しかしたとえそうではあれ、YouTubeには、テレビや雑誌からは得られない情報があるのもたしかである。

 わたしが主に見るYouTubeの政治系番組は以下のようなものである。

「高橋洋一チャンネル」「正義のミカタ」「マンデーバスターズ」。ふふ、基本、高橋洋一ではないか。

 たまに「政経電論」や「真相深入り! 虎ノ門ニュース」。ときどき「文化人放送局」も見るが、「ジャーナリストの山口敬之」が出ているのは見ない。胸糞が悪い。

 もうばりばり、保守系の番組ばかりである。かつてリベラルを自認していた自分にも、またリベラルが正しいという風潮にも愛想がつきた。

 わたしはこれらの番組から随分と知らないことを教えられた。テレビなんかでは金輪際聞くことのできないことばかりである(逆に、テレビのニュースや解説がいかにいい加減であるかもを知った)。

 この年になって、いかに自分が無知だったかもわかった。