「アッラーの名において、最も慈悲深く、最も慈愛に満ちた方よ。偉大なるイランの国よ。今朝、シオニスト政権(イスラエル)はその汚れた血に染まった手を使い、我々の愛する国で犯罪を犯し、これまで以上に住宅地を攻撃することでその邪悪な本性を明らかにした。この政権は厳しい罰を受けることを覚悟しなければならない。

 イスラム共和国の軍事力の強力な手は、神の御意のままに、決してそれを見捨てることはない。敵の攻撃によって、何人かの指揮官たちや科学者たちが殉教した。彼らの後継者や同僚は、神の御意のままに、すぐに職務を再開する。

 この犯罪によって、シオニスト政権は自らに苦く痛ましい運命を準備したのだ。そして、それを必ず受けとることになる」

 今や、交渉によるイラン核問題の解決は一挙に遠のきました。イスラエルによる攻撃のタイミングは、6回目の米国とイランの核交渉を明らかに頓挫させるべく行われたと考えてよいでしょう。

 攻撃を受けたイランは、6月15日に予定されていたオマーンでの交渉には参加しないことを明らかにしました。ウラン濃縮の継続ができない以上、イランにとっては、交渉に何らメリットは見出せないのですから、当然のことです。

 本稿では、イスラエルによるイラン攻撃がもたらした一層のエスカレーションの行方について3つの観点から掘り下げて考えてみたいと思います。

イランからミサイル攻撃を受けたイスラエルのテルアビブ東部の都市ラマト・ガンで救助と警備に当たる人々(2025年6月14日、写真:ロイター/アフロ)