イスラエルのネタニヤフ首相(写真:ロイター/アフロ)
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(国際ジャーナリスト・木村正人)

「イランの核兵器保有を阻止するのに他の選択肢はない」

[ロンドン発]イスラエル国防軍は6月13日、イランの核兵器開発計画に関わる施設に対して統合された精密先制攻撃を行ったと発表した。数十機のジェット機が数十の軍事目標への攻撃を含む作戦の第一段階を完了したという。中東は戦争拡大の瀬戸際に立たされている。

6月13日未明、イスラエルによる攻撃でテヘラン市街で爆発が発生、煙が上がる(写真:AP/アフロ)

 イスラエル国防軍の報道官エフィー・デフリン准将は「イランは長年、イスラエル国家破壊を呼びかけてきた。過去数カ月に及ぶ情報機関の情報収集でイランがかつてないほど核兵器保有に近づいたことが明らかになった。イランの核兵器保有を阻止するのに他の選択肢はない」との声明を発表した。

「国家存亡の脅威に対抗している。イランがイスラエルと世界全体の脅威となることを許容できない。作戦は私たちの生存権、私たちの子供たちの未来のために行われる。イスラエルは国民を守るために作戦行動をとる権利と義務を有しており、今後もそうする」(デフリン准将)

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「『ライジング・ライオン作戦』の一環だ。イランは祖国の存亡に関わる脅威だ」と述べた。イスラエルはイランの反撃に備え非常事態を宣言した。今回の攻撃でイラン革命防衛隊のホセイン・サラミ司令官が死亡したと伝えられる。