トランプ氏のネタニヤフ氏説得の試みは失敗
イランは空爆でも破壊が難しいとされるナタンズの山岳地帯で秘密のウラン濃縮施設を稼働させると表明。フォルドゥの遠心分離機の能力を10倍に増強しつつある。
イランの核兵器開発における「ブレークアウト・タイム」(実質的完成までの猶予期間)は劇的に短縮される恐れがある。
「これらの行動はトランプ政権が越えてはならないレッドラインだ。『米国に死を』と叫ぶ体制がNPTを踏みにじり、世界を威嚇して核兵器保有へと突き進もうとしている姿そのものだ」とWSJ紙の社説は指摘する。
イスラエル・ハマス戦争の長期化でイラン別働隊のパレスチナ自治
イランの核兵器保有は誰も望んでいない。トランプ氏のネタニヤフ氏説得の試みは失敗に終わり、イランの核兵器開発を止める交渉も頓挫した。ウクライナ和平交渉の挫折に続き、イスラエルとイランの間で大規模な戦争が勃発する危険性が膨らんでいる。
【木村正人(きむら まさと)】
在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争 「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。