8代藩主・松前道廣
松前道廣は宝暦4年(1754)に、7代藩主・松前資廣(すけひろ)の長男として、福山館で生まれた。
寛延3年(1750)生まれの蔦重より、4歳年下となる。
母は中納言・八條隆英の娘であるが、道廣の出産後10日で、亡くなっている。
明和2年(1765)3月、父・松前資廣が40歳で没したため、同年10月12日、僅か12歳で家督を相続し、第八代藩主の座に就いた。
同年10月15日、眞島秀和が演じる10代将軍・徳川家治に謁見し、12月に従五以下に叙され、志摩守に任じられている。
明和8年(1771)10月、花山院常雅の娘・敬姫(安永2年2月に「初」、同年5月に「知子」と改名)を正室に迎えた。公家の娘を妻としたのは、歴代藩主の中で5人目である。
正室は安永5年(1776)4月に男子を死産し、自身も同年5月に息を引き取った。
子は側室の支毛が、一男三女を産んでいる(以上、松前町史編集室編『松前町史 通説 第1巻下』)。