まとめ

 これらを総合すると、例えば堤防釣りの場合、外から向かい風で上げ潮の時には、動物性プランクトンは堤防近くに吹き溜ってくる可能性が高いと推測。

 アジは海流に乗ってエサを求めて夕マズメ、朝マズメに捕食効率の良い堤防近くで捕食し、その後は沖に落ちていく。

 その捕食タイミングに好物のアミコマセを使って、撒きエサカゴとエサ付けができるトリックサビキを入れると釣りが成立する。

 こう考えれば理に適っています。そして足下の地合いが終わっても、沖への回遊に入った可能性を考え、投げサビキで沖目の群れを探っていくことも有効です。

 少なくとも私は足下が落ち着くと投げサビキで追加の釣果を得ています。

 また船釣りであれば、船長が「アジの通り道」に連れて行ってくれるため、釣り人は協力して船長の指示棚にコマセを撒いてアジを集めます。

 次第に盛り上がっていくことを見越して手返しよくアタリの取り方など技術に集中し、釣果を伸ばしていきます。

 といったように、裏付けを想像しながら注力ポイントを見つけて釣果を伸ばすアジ釣りもまた面白いのではないかと思います。

今回の釣行

 今年は4月から天候が不安定でしたが、5月に入ってようやく釣行のチャンスに恵まれました。

 今回も例年通う神奈川県の茅ヶ崎より相模湾のビシアジ船で大アジを狙っての出船です。

 今回の沖のアジ釣りは以下の通りです。

1.時期:5月上旬
2.時間帯:6時過ぎに出船。13時沖上がり
3.潮回りは中潮。開始下げ8分から上げ8分まで
4.海況:ほぼ無風のち南、風速1~2メートルのベタ凪

5.釣り方:130号のビシ(約488グラムの錘の付いたプラカゴ)と天秤を使ったフカセ釣り

6.道具:胴調子で約2メートルのワンピース・グラスロッド(大アジ向け)にPE6号を巻いた電動リール(潮の流れも緩いため)

7.狙う深さ:水深100メートル前後の海底3メートルから5メートルの船長の指示棚

8.釣況:茅ヶ崎港を出船し、江の島沖のポイントに錨を下ろしてスタート。当日は薄曇りで海上はベタ凪。とても気持ちの良い釣り日和です。

 まずは船長の指示棚で大アジの通り道にイワシミンチのコマセを途切れないようにまき、群れを呼び込んでいきます。

 今回は乗船人数が少ないため、船長も竿を出して加勢してくれます。

 30分ほどして、船長の竿にアタリ。やはり上手い。30センチを超える大アジが上がってきます。

 船長から前アタリの取り方や細かなアドバイスをいただき、実践してみると、前アタリをしっかりと捉えました。

 テクニックをまた一つ獲得。何年通っても新しい発見があります。

 大アジが掛かると「ズシッ」とくる重みが堪りません。

 竿の弾力だけでは引き込みに耐えられず、途中で口切れやハリス切れを起こすため、ひざや竿先を落としながら100メートル下からの巻き上げ中の突っ込みをハラハラしながらかわしていきます。

 その後、群れが出たり入ったりとしながら釣果を重ね、1日中楽しめました。

 結果、クーラーボックスには最大40センチを筆頭に30センチ超の大アジが30匹ほど入り、今年も楽しい大アジ釣りとなりました。

今回の釣果。写っているのは筆者
今回釣れた約40センチの大アジ