他の2モデルと異なるSPORTの乗り味

 3グレードの外装、内装、そして走りの違いについては、3月に千葉県内のサーキットで実施されたプロトタイプ試乗会で実感している。プロトタイプといっても、開発車両ではなく量産モデル。4月の正式発売を前にナンバーを取得していないため、便宜上プロトタイプと呼んでいるだけだ。

神奈川県内の高台にて(写真:筆者撮影)

 同試乗会では、サーキット走行なのだが、単純にコーナーを攻める走りをするのではなく、ワインディング路や高速道路での走行を想定しながら、クルマとしての運動特性を探るような走りを心がけた。

 それでも、サーキットの路面は凸凹が少なく、かつ摩擦係数が高いため、一般的な走行環境を再現することは難しい。一方で、ハンドル、ブレーキ、アクセル操作を故意に強めることで、運転者として車両開発の意図が分かりやすくなるというメリットもある。

 こうした前提のもと、2.5Lストロングハイブリッド搭載車については、先代モデルがマイルドハイブリッドであったことから、クルマ全体の運動特性としての違いが掴みやすかった。

 一方で、1.8L直噴ターボエンジン「DIT」を継承するSPORTに対する印象は少し違った。

「スポーティ性を維持しながら、かなり乗りやすく、スポーティとしては上質」という印象なのだが、走行時間が限定されており「もっとしっかり走ってみたい」という思いを抱きながら試乗会場を離れた。

 そんな経緯があり、今回のSPORT公道試乗になったわけだ。

 前置きが長くなったが、ここからは公道試乗の様子を紹介したい。