②誰もが参加できるようにする

 どんなスポーツイベントでも、一部の住民だけが参加したり、盛り上がったりするのでは、地域全体の活性化にはつながらない。参加の間口を広くし、多くの住民がかかわれることが重要である。

◎広島県北広島町

 北広島町では、どん北を誘致する際に、町全体の合意形成に努めた。北広島町は、豊平、芸北、千代田、大朝の4地区が2005年に合併して誕生した町である。チームのホームコートとなる運動公園は豊平地区にあり、ほかの3地区との間で、住民のかかわり方に差が出ることが懸念された。

 そこで、4地区それぞれから副会長を1人ずつ出した後援会を結成し、町全体で支えようとした。町名を冠した「どんぐり北広島ソフトテニスクラブ」というチーム名にも、皆のチームにしようという意識が表れている。

地域住民とフランクに交流するどん北の選手

◎福島県相馬市

 相馬市は、地元で盛んだったビーチバレーボールをフェスタのメイン競技とすることで、地域住民に愛されるイベントにした。

 スラックラインやウォーターロールなどの体験コーナーを用意するほか、キッチンカーにも出店してもらい、付き添いで来た選手の家族や決勝まで進めなかった選手たちも楽しめるイベントをつくり上げた。

◎新潟県村上市

 村上市では総合型SCを立ち上げる際、住民を交えた話し合いを重視した。目的を共有したり、イベントや教室などのコンテンツについてアイデアを出し合ったりして、地域の誰もが通いたくなるクラブを目指した。

 週1回夜間に体育館を開放して、若者が会社帰りに利用できるようにしたり、施設まで通えないお年寄りのために出張で転倒防止教室を開いたりして、みんなのクラブになることを目指している。