マッサージは医療費控除にできるか
中山:それに加えて、住宅ローン控除も、省エネ性能の細分化や子育て支援枠の設置で制度が複雑になっています。「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準省エネ住宅」か「省エネ基準適合住宅」かによって、控除を受けられる額は違います。
では、当該住宅はZEHなのか省エネ住宅なのかについては、納税者も税理士の私もすぐには判断できません。私も、住宅ローン減税が細分化されたのを機に住宅の勉強をせざるを得ませんでした。有利な税額控除を受けられるためにも、不動産業者から住宅のスペックを聞いたり、詳しい資料をもらっておいたりすることをお勧めします。
また、医療費控除についても、マッサージ店の領収書を持ってきて「これは控除に入らないか」と尋ねてくるお客様がいます。

——納税者とすれば、経費や控除の対象になるのではという思いであらゆる領収書を取っておくのでしょうが、認められるのか判断に迷う領収書は、珍プレーのようですね。マッサージは医療費控除できるのですか。
中山:パートのマッサージ師による施術は医療費控除が認められませんが、鍼灸師や柔道整体師など国家資格を持つ人が施術した場合は認められます。
ただ、領収書だけでは誰が施術したか分からない場合、当法人からマッサージ店に電話して「そちらに鍼灸師の方は本当にいますか」と確認します。確定申告の代理業務はこうした地道な確認作業の連続です。
>>前編はこちら:年収2000万円超のサラリーマンが税理士に駆け込む意外な理由…会社が所得控除の計算ミス、不動産売買にも落とし穴