ふるさと納税にも落とし穴

中山:ふるさと納税です。ネットでは、年収・家族構成と組み合わせたふるさと納税の年間上限額(寄付金控除上限額)の概算表が見受けられますが、落とし穴があります。

——どういうことでしょうか?

中山:ふるさと納税の上限額は、年収・家族構成だけではなく、住宅ローンなど他の控除との兼ね合いで決まります。確定申告をしている給与所得者の中には、ふるさと納税と住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を併用している方もいるでしょう。しかし、ふるさと納税と住宅ローン控除を足した額が、所得税額を上回れば、控除の恩恵を受けられない「控除漏れ」が発生します。

 ふるさと納税の上限額は、iDeCo(個人型確定拠出年金)掛け金や医療費控除の額によっても変わってきます。当法人では確定申告を依頼してくれたお客様に、1年間の税務顧問サービスを提供しています。毎年12月が近付くと「私、ふるさと納税、いくらまでできますか」という問い合わせが増えて、1日中、ふるさと納税の計算をしているような状態です。

——ふるさと納税と住宅ローンを併用している家庭は珍しくないでしょうね。