トランプ関税に公然と反旗を翻した、GDP世界5位の米カリフォルニア州
民主党のホープ、ニューサム知事は「恫喝関税」外交を止められるか
2025.4.19(土)
高濱 賛
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米国から離脱するCalexit構想が再燃?
カリフォルニア州には、全米50州から分離して「カリフォルニア共和国」として独立すべきだ、という運動がある。民間の有志で構成される団体まである。
英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit=ブレグジット)をもじって、「Calexit(キャレグジット)」と命名されている。
(What Is Calexit? About Proposals for California's Seccession)
今回のニューサム氏の動きが同構想を再燃させている。
サンフランシスコ近郊で公認会計士業を営むD氏(63)はこう言う。
「貿易相手国との単独パートナーシップ構想の実現性は皆無に近いが、GDPでは日独に匹敵する経済力をもち、教育水準では世界ベストテンの最高学府3校(スタンフォード大学、カリフォルニア工科大学=Caltech、カリフォルニア大学バークレー校、2024年版世界大学ランキング)を有する州などほかにはない」
「米国の貧しい州の面倒を見てきたのはカリフォルニア州だ」
「毎回毎回、大統領選になれば、南部、中西部の貧しいスウィング・ステートの一握りのプアーホワイトの票で大統領が決まる現状に不満なカリフォルニア州民は少なくない」
「こんな大統領を選ぶならいっそのこと独立した方がましだ、という州民も少なくない」
「今回の無謀なトランプ政治を見るにつけ、潮時ではないかと言う人も少なくない」
ニューサム氏の反乱に共鳴するブルーステートの知事もそろり出始めている。
トランプ帝王は「戴冠」3か月にして、うかうかしていられなくなってきた。
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