いつの日もいばらの道を歩む保守派の大統領

 朴槿恵政権は日本にとっては「告げ口外交政権」だったが、反共産の立場から見た北朝鮮政策は評価が高い。当時、歴史教科書を国選教科書にするという政策を出して日本でも非難轟轟だったが、それは既存の教科書の内容があまりにも左に寄っていたために、「真ん中に持ってくるために」国選化しようとしたのだった。

 国選という方法は聞こえが確かに良くないが、当時も現在もこの国の歴史教科書は“ファンタジー小説”である。それをまともな教科書に変えるには、保守政権による国選ぐらいしかない。それほどに、彼女は必死だったのだ。

 この国において保守派の大統領には、いつの日もいばらの道を歩かなければならない宿命がある。

 依然として今も韓国は大統領不在だ。国会も野党民主党に乗っ取られた状態で、国家として機能していない。独占企業になった大韓航空のロゴがブルーに統一されたからといって、政治も民主党のブルーに統一されないことを祈るだけである。

立花 志音(たちばなしおん)
1977年生まれ 東洋英和女学院大学短期大学部キリスト教思想科卒業後、損保勤務を経てソウルに留学。2005年韓国で出会いの夫と結婚。現在2男1女を育てながら日本人が見る韓国をライターとして韓国内で活動中。