ところが、3月23日に香港で開催された音楽イベント「コンプレックスコン香港」には予定通り参加しました。舞台の前には「つらい時間も楽しい思い出になる」とコメント。強行出場した形でした。アドア側は「NewJeans」という名前を使うよう要請しましたが、メンバー側は応じませんでした。
とはいえ、この状態でコンサートに参加するのはまずかったでしょう。仮処分決定を無視すると、メンバー側のコンプライアンス違反になるからです。つまり違法状態となるので、今後の裁判でも裁判官の心証がかなり悪くなります。コンプライアンス意識が低いとみなされるのは、メンバー側にとってマイナスです。
しかし、もしコンサートをキャンセルすると、今度はコンサート主催者側との間で違約金が発生する可能性があります。メンバーたちは板挟み状態になり、強行出場したとみられます。
今回ついに活動休止となりましたが、筆者としては、強行的に独自活動を始めようとしたメンバーたちの行動には初めから無理があったと考えています。
アドアとの契約が残っている可能性があるのに一方的に契約破棄を宣言し、法的地位が不安定な中で独自活動をするといっても限界がありました。何より、仕事を依頼するクライアント側に迷惑をかける可能性が高い。アドアとの裁判に集中するのが最善の方法でした。
メンバーたちのファンの前でパフォーマンスをしたい気持ちはもちろん分かりますが、独自活動は控えるべきだったのではないでしょうか。
