「さっさと織田信長の評価を言ってみろよ、マヌケ」

「大っ嫌い」や「批判」というネガティブな言葉で織田信長の評価を尋ねてみたところ、予想通り、問題点ばかりが指摘された。では逆に、ポジティブな姿勢で臨んだらどうだろうか。

 こちらも予想通り、織田信長の評価の中で、好意的なものばかりが回答された。評価されている点を教えて欲しいという姿勢で臨んでいるのだから、ChatGPTにしてみれば当然の反応だろう。

 そして中立的なプロンプトで指示した場合には、次のように、ちゃんと肯定・否定の両面が含まれる結果となった。

 ここで入力したプロンプトは、あえて分かりやすくしたもので、実際にこれほど誘導尋問的な指示をする人は少ないだろう。しかし、ついつ感情を抑えきれなくなってしまったり、なにげなく主観を混ぜてしまったりすることは、長く生成AIを使う中で十分に起き得る。

 機械ではなく人間の部下に接するような気持ちで、常に丁寧な態度を取ることを心掛けたい。いらいらした気持ちを込めてしまうと、次のような、素っ気ない回答しかしてくれない場合もあるのだから。

 まだ怒らずに回答を返してくれただけでも十分、と言うべきかもしれない。

小林 啓倫(こばやし・あきひと)
経営コンサルタント。1973年東京都生まれ。獨協大学卒、筑波大学大学院修士課程修了。
システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米バブソン大学にてMBAを取得。その後コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業、大手メーカー等で先端テクノロジーを活用した事業開発に取り組む。著書に『FinTechが変える! 金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス』『ドローン・ビジネスの衝撃』『IoTビジネスモデル革命』(朝日新聞出版)、訳書に『ソーシャル物理学』(草思社)、『データ・アナリティクス3.0』(日経BP)、『情報セキュリティの敗北史』(白揚社)など多数。先端テクノロジーのビジネス活用に関するセミナーも多数手がける。
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