クルスク侵攻はウクライナに何の利益ももたらさなかった
クルスク情勢について、ラトビアに拠点を置く独立系メディア「メデューザ(Meduza)」(17日付)は「クルスク州の一部を巡る7カ月にわたる戦いはウクライナの敗北に終わる。これまでにもしばしば見られたようにウクライナ軍は包囲の脅威にさらされ退却した」と伝えた。
「退却はもっと早く行うべきだった。武器弾薬の一部は置き去りにされ、多くの兵士が死亡または捕虜となった。しかしウクライナ軍の大半は脱出に成功した。政治的観点から見るとクルスク州への侵攻はウクライナに何の利益ももたらさなかったように見える」(Meduza)
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は占領したクルスク州の一部を交渉の取引材料にする考えだったが、今や交換するものは何も残っていない。ウクライナ軍はクルスクに投入した最も戦闘能力の高い旅団を早く退却させていればもっと有効活用できた可能性がある。
Meduzaによると、ロシア軍がクルスクでウクライナ軍の拠点を奪還する新たな本格攻勢を開始したのは3月8日。その数日前からウクライナ軍部隊の補給路を断つ作戦を周到に進めていた。3月9日、ウクライナ軍は退却の際、甚大な損害を被った。