戦場で優位に立つための時間稼ぎ
トランプ氏がクルスク州で包囲されているウクライナ兵の命を助けるよう呼びかけたことについて、プーチンは「降伏した場合、ロシアの法律および国際法に従って生き延び、公正に扱われる」ことを保証した。プーチンは黒海の航行の安全に関する協議を始めることにも同意した。

3月19日にロシア側とウクライナ側がそれぞれ175人ずつ合計350人の捕虜交換を実施、現在ロシアの医療施設で治療を受けている重傷のウクライナ兵23人も本国に帰すという。トランプ氏は米露間のアイスホッケー交流を提案し、プーチンは歓迎した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(18日付)によると、米ホワイトハウスは広範な和平に向けた第一歩と位置づけるものの、一部の米政府高官は、プーチンは和平交渉に真剣に取り組んでいるように見せかけながら戦場で優位に立つため時間稼ぎをしているように見えると認めている。
同紙によると、30日間無条件停戦に同意しているウクライナ政府は交渉のテーブルに着くレッドラインを示している。(1)安全保障の保証、(2)占領されたウクライナ領に対するロシアの主権を認めない、(3)中立化にも同意しない、(4)軍備縮小にも応じない――というものだ。