当時の設計趣旨文には、「私たちはアラブの歴史的な建築に学んで、立体化されたコートヤードを囲んだ建築を現代の技術をもって実現したいと思った」と書かれている。

 7階の大屋根の上に、物見台のような飛び出した部分がある。外観を特徴付ける部分だが、建築概要を見ると「地下2階・地上7階・塔屋2階」とあるので、居室ではなく塔屋扱いのようだ。この部分の詳細は竣工当時の記事にもなく、どうなっているのかいつか見てみたい。

2020年ごろには、再開発で大きな更地ができており、JR田町駅前の国道15号からもこのようによく見えた(今は見えない)

駐日クウェート国大使館
所在地:東京都港区三田4-13-12
設計:丹下健三・都市・建築設計研究所
施工:鹿島建設
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
階数:地下2階・地上7階・塔屋2階
延べ面積:4137m2
竣工:1970年(昭和45年)
交通:JR田町駅から徒歩約10分(見学は外観のみ)

【知る人ぞ知る丹下健三の傑作】
曲面の庇がコンクリートの威圧感を和らげる――ゆかり文化幼稚園
近年まで「丹下建築」と知られていなかった理由とは――戦没学徒記念 若人の広場
あえてリズムを崩したようなデザイン、今では世界の主流に――駐日クウェート国大使館