クロワデュノールの皐月賞勝利は成るか

 昨年(2024)の皐月賞はジャスティンミラノがレコード勝ちしていますが、前年11月の新馬戦に続く2戦目に陣営がトライアルレースとして選択したのは3月3日の弥生賞ではなく、2月11日の共同通信杯でした。そして、3戦目が4月14日の皐月賞で、3戦全勝でのクラシック制覇でした。

 ジャスティンミラノはその後、次なる目標として余裕を持った日程で5月26日のダービーを選択、わずか4戦目でのダービー挑戦でした。2.2倍という1番人気でしたが、残念ながら9番人気の人気薄、ダノンデサイルに2馬身届かず2着に終わります。その後、故障を発生して11月に引退発表、デビューからおよそ1年、7か月の間に生涯4戦という少ない戦歴でしたが、鮮烈な光を放って去っていきました。

 昨年末の12月28日に行われた2024年最後のJRA主催G1レース「ホープフルステークス」に勝利したのが、クロワデュノール。近年、「ホープフルステークス」は年末に行われる2歳馬の決定戦という位置づけとなり、クロワデュノールがサラブレッド新人戦のMVPということになりました。

 同馬はこのレースでの勝ちっぷりから今後のさらなる活躍が期待されますが、次戦の予定が「皐月賞」であることが公表されました。レース間隔がおよそ4か月あき、皐月賞はデビュー4戦目のレースとなります。前述した弥生賞を通過して直接皐月賞に向かうケースです。

 近くは世界一の名馬となったイクイノックスの場合、皐月賞(2着)が3戦目、ディープインパクトは4戦目での挑戦でした。はたしてクロワデュノールの選んだ道がこの両馬に迫るような「名馬ロード」へとなるかどうか、厩舎スタッフの腕の見せ所でしょう。

 トライアルレースでは、新馬勝ちした馬たちや連勝を続けている馬たちが集結することもあり、クラシックの前に優劣を競うレースは大いにファンの興味を惹きます。

 競馬は、馬自体が持っている実力だけでなく、枠順、騎手、レース展開、当日の天候、馬自身の気分・状態などに左右されることも多々あり、トライアルレースで勝ち負けが出たとしても、それは決着がついたことではないことは歴史と私の馬券が物語っています。

 2025年のクラシック戦線を前に、1月13日のシンザン記念で優勝したリラエンブレム、現在2戦2勝のデンクマール、タイム指数の高いアルテヴェローチェら、クロワデュノールの休戦中に次の王座を虎視眈々と狙っている馬も数知れず、4月の皐月賞決戦までの動向に目が離せません。

(編集協力:春燈社 小西眞由美)