「まちの保育園 南青山」は「ポーラ青山ビルディング」の3階にある。自然の地形のようにうねる白い床が特徴だ。大人はつまずきそうだが、子どもにとっては空間そのものが遊具だろう。この床には、波紋や木漏れ日、都市風景などをモチーフにしたプロジェクションマッピングが投影されるという。

大阪駅前に広大な公園が出現
2024年9月、JR大阪駅前に「グラングリーン大阪」が先行オープンした。隣接する「グランフロント大阪」のオープンから10年以上を経て、大規模再開発の成果がその全容を現しつつある。「グラングリーン大阪」全体のオープンは2027年度だが、早くも今年ベスト10入りした。
「グラングリーン大阪」はオフィスビルやホテル、分譲マンションなどを含む複合施設だが、目を見張るのは地区の中央を占める広大な「うめきた公園」だ。その面積約4.5万m2。「緑が少ない」といわれ続けた大阪のイメージを一発で逆転させた。なだらかな起伏を持ち、四季折々に変化する植栽を施された公園は、それだけでも訪れる価値がある。

公園のシンボルとなる大屋根は世界のSANAAが設計した。SANAAは妹島和世氏と西沢立衛氏のユニットで、国内では金沢21世紀美術館で知られる。さらに、海外でもルーブル美術館の別館ほか数々の作品がある。一方、巨大な地下空間を擁する文化施設「VS.」の設計監修は、大阪が誇る巨匠・安藤忠雄氏だ。
公園からはこれまで大阪駅北側で孤高の存在だった「梅田スカイビル」(1993年)がよく見える。「梅田スカイビル」は先日他界した原広司氏の傑作だ。同氏は「京都駅ビル」の設計者でもある。
今年3月には地区南側のビル群も開業する予定で、オフィスやホテル、物販に加え、アジア初出店の大規模フードマーケットや新業態の温浴施設が出店する。ますます賑わいが増しそうだ。
都市と地方の公共複合施設
JR大阪駅から快速電車に乗れば、14分で茨木駅に着く。そこから徒歩10分、阪急茨木市駅との中間に位置するのが「茨木市文化・子育て複合施設 おにクル」だ。「おにクル」は公募で選ばれた名称で、当時6歳の男の子が考えた。鬼の姿をした茨木市のキャラクター「いばらき童子」から着想したという。施設建設は基本構想の段階から市民の意見を重視して進められ、ワークショップや社会実験を繰り返して完成した。