京都の古民家と熊本の工場
今回、住宅で唯一ベスト10入りしたのが、京都市北部の森林地帯にある「2m26 Atelier」。フランス出身のメラニー・ヘレスバックとセバスチャン・ルノーによる建築家ユニット「2m26」の住まい兼アトリエである。茅葺き屋根の母屋がある元農家で、2人はここに住みながら改修を続けている。犬と猫に加え、2頭の馬やニワトリ、ガチョウ、アヒル、羊とともに暮らす。今後は牛も飼うらしい。
動物たちのための様々な小屋も自作。地元で手に入れた丸太や茅を使い、職人や地域住人から学んだ伝統的手法をアレンジしてつくっているそうだ。

「エバーフィールド木材加工場」は、熊本県で1988年から続く「くまもとアートポリス」のプロジェクト。設計者は、前出の伊東豊雄氏が審査委員長を務める公開コンペで選ばれた。「エバーフィールド」は地元の建設会社で、この加工場も自社で施工している。加工技術を見せる場として、予約制で見学を受け付ける。
木材同士がもたれあって支える「レシプロカル構造」によって、曲面の大屋根を載せた大空間が実現した。災害時には一時的な避難所として使うことも想定されている。

以上10作品、あなたの興味をひいた建築はあっただろうか。もっと知りたい場合は、それぞれの作品の複数の写真と推薦委員のコメントを、建築ネットマガジン「BUNGA NET」と空間デザインメディア「TECTURE MAG」で見ることができる。
さらに、2月1日19時から、各作品の設計者によるライブ解説がオンライン配信される。無料で登録も不要なのでぜひ見てほしい(2月末まで視聴可能)。
投票方法は、X(旧Twitter)、Instagram、Googleフォームの3通りで、「BUNGA NET」「TECTURE MAG」の記事にあるリンクから投票できる。XとInstagramでは、「みんなの建築大賞」アカウントがポストする記事のうち、好きな作品に「♡(いいね)」を押すだけ。Googleフォームは投票フォームにチェックを入れて送信する。
X @minnanokenchiku
Instagram @minnano_kenchiku
「みんなの建築大賞」は、ベスト10の作品中、3メディア合計で最も多くの票を獲得した作品に贈られる。投票は各メディア1人1作品あたり1回のみだが、複数作品に投票してもかまわない。1作品について3メディアすべてで投票したり、Xのリポストで他の人にお薦めしたりする「推し活」も可能だ。
投票期間は1月27日から2月5日までの10日間。ぜひ投票に参加してほしい。「いいね」の数は日々刻々と変化していくはずだから、早めに推しを決めて成り行きを見守るのも楽しいのでは。大賞は2月10日に発表される。後日改めて報告する予定だ。