電子レンジで加熱してはいけない

 もう一つのNG行為は、カップ麺を容器ごと電子レンジで加熱すること。お湯を沸かすことが面倒なときに知らないとやってしまいそうになるかもしれない。だが、これも非常に危険な行為だ。主に問題となるのは、カップ麺の蓋に使われているアルミ素材である。

アルミ素材がついた容器を電子レンジに入れては絶対にダメ(写真:Hrach Hovhannisyan/Shutterstock.com)

 電子レンジはマイクロ波という電磁波で食品に含まれる水分子を揺らし、摩擦熱で食品を温めている。しかしアルミ素材などの金属を入れてしまうと、アルミ素材に内在する電子が電磁波に反応して活発化。その作用により火花が発生し、破裂や発火などの危険性があるという。

 実際に製品評価技術基盤機構の実験では、アルミ蓋を使用したカップ麺が電子レンジ内でスパークを引き起こし、炎が上がる様子が確認された。

 このような火花や炎が発生すると、最悪の場合には火災を引き起こす可能性もあるため、カップ麺の容器ごと電子レンジで加熱するのは厳禁。もしカップ麺を電子レンジで温めたい場合は、電子レンジ対応の耐熱容器に移し替えてからにしてほしい。

 最近ではインスタント麺専用の電子レンジ調理容器が販売されているため、こうした商品を利用するのもありだろう。またカップ麺の蓋以外にも、ソフトクッキーのアルミ蒸着袋やレトルト食品のアルミパウチなども電子レンジに適していない場合がある。加熱前に必ずパッケージの注意書きを確認することが重要だ。

 電子レンジ使用がOKな商品の場合でも、電子レンジを使用する際には加熱時間に注意したい。推奨されている加熱時間を過ぎると、中身が吹きこぼれてしまう恐れがあるほか、容器が熱で変形したり、非常に高温になったりするのでやけどをする恐れがある。

 カップ麺やレトルト食品にひと手間を加えたり、時短目的で電子レンジを使ったりする場合は、NG行為を正しく理解しておかないと、思わぬ怪我や事故の原因になりかねないので注意しよう。