大掃除をすると、捨てるのに困る古いスマホなどの小型家電に毎年のように出くわす人もいるだろう。処分するにもいろいろと決まりがあり、面倒に思って見て見ぬふりをしてしまいがちだ。だが、実はその小型家電は資源の乏しい日本にとって貴重な存在かもしれない。大掃除をする前に、小型家電の処分の仕方をおさらいしておこう。
(杉原健治:フリーライター)
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小型家電に含まれる金属が貴重な資源に
今年も大掃除の時期が近づいてきた。いざ、部屋を片付けはじめるといつも頭を悩ませがちなのが、大小様々な不用品の処分だ。
なかでも、使わなくなったスマートフォンやデジタルカメラ、電子辞書、電卓、ドライヤー、アイロンといった小型家電は、意外とたくさん家の中に眠っているものだろう。ただ、これらの小型家電の処分方法を知らないと、ついつい「不燃ゴミ」として捨てたくなるかもしれない。
不燃ゴミとして捨てる場合は、地域によっては指定された有料のゴミ袋に入れる必要があるなど、手間や負担を感じることもありそうだ。そこで考えてほしいのが、不燃ゴミ以外の処分方法である。
実は、小型家電の中には貴重な鉱物資源を含んでいる製品もあり、回収・リサイクルしてくれるケースがある。
そもそも鉱物資源にはさまざまな種類がある。
例えば、鉄やアルミといった比較的簡単に精錬できるものは「ベースメタル」。リチウムやコバルトなど埋蔵量が少なかったり抽出が難しかったりする希少な金属は「レアメタル」。レアメタルの一部でネオジムなど特定の17元素は「レアアース(希土類元素)」と呼ばれている。
レアメタルやレアアースは、電気自動車(EV)やスマホなどハイテク製品を作るのに欠かせない。そのほか金や銀といった「貴金属」も代表的な鉱物資源だ。