自治体が設置した“都市鉱山”への入り口

 小型家電の中に含まれるレアメタルなどを回収し、リサイクルできれば、資源に乏しい日本にとって重要な資源の供給源になりうる。そんな考えのもと、小型家電は製品によって回収が推奨されている。

 回収された小型家電から資源が生み出される様はまるで、都市に現れた鉱山のようだとして、最近では「都市鉱山」とも呼ばれている。工業製品があふれる日本は、さながら“都市鉱山大国”とも言えそうだ。

日本にとって“都市鉱山”は重要な金属資源の供給源になり得る(写真:gabriel12/Shutterstock.com)

 こうした動きを政府も後押ししている。2013年には「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法)」が施行された。不用品に使われているレアメタルやベースメタルを回収し、有効活用するための取り組みだ。

 この法律によって、各自治体では小型家電用の回収ボックスが設置されるようになった。いわば、回収ボックスは都市鉱山への入り口ともいえる。

 例えば、さいたま市では、地域の役所、コミュニティセンター、図書館などの公共施設に行けば専用の黄色い回収ボックスを利用できる。不要な小型家電を直接入れるだけでOKなので、ゴミ袋の準備も不要だ。幅30cm、高さ15cmの投入口を通過できる大きさであれば、携帯電話からゲーム機、ラジオやパソコンといった様々な小型家電を持ち込める。