(写真:AnnaStills/Shutterstock.com)

可燃に不燃、資源ゴミなど、様々な種類に分別されている「ゴミ」。処分の方法も様々で、リサイクルなど細かなルールがある自治体も多いだろう。分別の煩雑さに「少しくらいなら適当でもいいかな?」と思うこともあるかもしれない。だが、きちんとルールを守って捨てないと、焼却炉を停止させることになり、復旧作業に2億円近くもかかってしまうケースもある。それは、意外と身近な「水銀を含むゴミ」だ。

(杉原健治:フリーライター)

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健康被害や環境破壊を引き起こす「水銀」に注意

 水銀といえば、かつてよく使われていた「水銀体温計」に使用されていた。水銀は液体状の金属だが、気化してガスになる性質がある。その気化した水銀を吸い込むと、健康被害を引き起こすため注意が必要だ。かつて工場からメチル水銀化合物が自然界に排出され、重篤な健康被害と環境破壊をもたらした「水俣病」は有名だ。こうした被害の教訓から、現在では処理方法が厳しく管理されている。

 もちろん家庭から出る「水銀が含まれたゴミ」についても、適切な処理が必要だ。そのため水銀ゴミの回収の仕方は自治体ごとに細かく指定されている。では、「水銀が含まれたゴミ」には一体どのようなものがあるのだろうか。

水銀が使われている身近な製品

 水銀が使われているものとして、代表的なものは先ほど挙げた「水銀体温計」だが、温度計や血圧計、蛍光灯にも水銀が使われているものがある。ボタン電池にも微量の水銀が含まれていて、意外と身近に水銀を使った製品がある。

(出所:東京都中央区のウェブサイト
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 それらの回収・処分方法は自治体によって、「中身の見える袋に入れて燃えないゴミの日に出す」「回収ボックスに入れる」「清掃業者へ連絡する」など様々だ。また、製品によっては水銀を使っていないものもあるため、よく確認して出す必要があることに注意しよう。