神戸市議会の議論に注目
神戸市の空室税は、こうした事態に陥る前に廃墟化を食い止め、マンションと周辺のまちづくりを適正に行う狙いがあります。
冒頭で紹介した記者会見で、神戸市長の久元氏は「(タワマンの)空き部屋を抑制する。そのための法定外の税の創設を(有識者会議に)提言いただいている。この問題意識は私も共有している」と述べました。
地方公共団体には地方税法が定める税目(法定税)のほかに、条例を制定して税目を新設する権利があります。これを「法定外税」といい、最近の導入例では「宮島訪問税」(広島県廿日市市)や「宿泊税」(北海道倶知安町や福岡市ほか)などがあります。神戸市が空室税を設ける場合も条例の制定が必要で、今後、神戸市議会で本確定な議論が始まる見込みです。
「神戸を晴海フラッグのような街には、神戸はしない」という市長の決意は、タワマン関係者や購入者、そして市民の同意を得られるのでしょうか。
フロントラインプレス
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