「おたがいが勝手に妄想し合ってここに至った」

仲川:変な話、僕は妄想癖があって、あり得ないことを色々と考えるのが好きなんですよ。NCLの林さんも、構想癖なのか妄想癖なのかはわかりませんが、同じようなところがあって。お互いが勝手に妄想し合ってここに至ったという感じです(笑)。

──NCLのプロフィール欄に「詐欺師のような佇まいと教祖のようなカリスマ性」と書いてありますが、林さんは常に10年後、20年後のあるべき姿を考えている人です。

仲川:妄想とも思えるような話を哲学のある構想に置き換えた上に、社会実装できる仲間がいるという面で、林さんは本当に希有(けう)な存在だと思います。そのパートナーシップが得られたというのは奈良市にとっても幸運でした。(続く)

仲川げん(なかがわ・げん)
立命館大学経済学部卒業。 帝国石油株式会社(現・株式会社INPEX)及び奈良NPOセンターでの勤務を経て2009(平成21)年7月、当時全国で2番目に若い33歳で奈良市長に初当選。2021(令和3)年7月に奈良市長4期目に就任。

篠原 匡(しのはら・ただし)
編集者、ジャーナリスト、蛙企画代表取締役
1999年慶応大学商学部卒業、日経BPに入社。日経ビジネス記者や日経ビジネスオンライン記者、日経ビジネスクロスメディア編集長、日経ビジネスニューヨーク支局長、日経ビジネス副編集長を経て、2020年4月に独立。
著書に、『人生は選べる ハッシャダイソーシャルの1500日』(朝日新聞出版)、『神山 地域再生の教科書』(ダイヤモンド社)、『誰も断らない こちら神奈川県座間市生活援護課』(朝日新聞出版)
など。『誰も断らない 神奈川県座間市生活援護課』で生協総研賞、『神山 地域再生の教科書』で不動産協会賞を受賞。