活断層地震は震源が浅いゆえに揺れが大きい

 活断層地震は震源が浅いのが特徴で、ほとんどが深さ20km以内で発生します。一般に、震源が浅いほど地震の揺れ(震度)は大きくなります。震度階級に7が追加された1949年以来、震度7を記録した地震は6回ありましたが、そのうち4回は活断層地震でした。

 震源が活断層でなかったのは、東北地方太平洋沖地震と、「プレート内地震」とされる平成30年(2018)の北海道胆振(いぶり)東部地震です。プレート内地震とはプレート境界から離れたプレート内部を震源とする地震で、活断層より深いところで起こります。

 平成30年北海道胆振東部地震はM6.7、震源の深さ37kmで苫小牧市に隣接する厚真町(あつまちょう)で震度7を記録し、死者44人、住家全半壊2032棟の被害を出しました。

 兵庫県南部地震の震源深さは16kmという浅さでした。しかもマグニチュードは7.3と大きかったため、最大震度は7に達しました。この活断層地震が神戸市という大都会のほぼ直下で起こったために、阪神・淡路大震災という激烈な災害を招いたのです。

【1949年以降の最大震度7を記録した活断層地震】2024年に起こった能登半島地震は、2025年1月現在、活断層地震と確定されたわけではないが、多数の専門家から活断層が地震に関連した可能性が高いと指摘されているため、ここでは活断層地震に分類した
被害データの出典:※1 「阪神・淡路大震災について(確定報)」(平成18年5月19日)消防庁。住家全半壊には全半焼を含む ※2 「平成16年(2004年)新潟県中越地震(確定報)」平成21年10月21日)消防庁 ※3 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の被害状況」(令和5年3月9日)消防庁 ※4 「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震に係る被害状況等について」(平成31年4月12日)内閣府。同年6月19日から25日に発生した豪雨被害のうち熊本地震との関連が認められた死者を含む ※5 「平成30年北海道胆振東部地震による被害及び消防機関等の対応状況(第35報)」(令和元年8月20日)消防庁 ※6 「令和6年能登半島地震による被害及び消防機関等の対応状況(第112報)」(令和6年10月29日)消防庁     

活断層地震が一度起こったら1000年は安心?

 活断層地震の特徴には、活動の周期が非常に長いことも挙げられます。活断層は地震を起こしやすいといわれるものの、同じ活断層(の同じ場所)が動く周期は1000年から数万年なのです。地震は蓄積された応力(ひずみ)の解放現象なのですが、ずれた断層面が固着し、そこにプレート間の力によるひずみが再びたまり、耐えきれなくなって再度ずれるまでそれくらいの時間を要するということです。

 とはいえ、日本には確認されている活断層だけで2000以上もあり、未知のものを含めればその数倍、数十倍の膨大な数が存在する可能性があります。加えて、活断層と認定されていない断層が震源になることもありますし、一度地震が起こったからしばらく近くで地震はないと安心することはできません。