鳳凰、唐獅子…多彩な瑞祥のかたち

「瑞祥のかたち」展示風景。右から、伊藤若冲《旭日鳳凰図》江戸時代、宝暦5年(1755)前期展示、《銀色絵鳳凰鈕香炉》香炉:江戸時代(19世紀) 蒔絵台:中林笑山 明治10年(1877)

 ほかにも瑞祥のかたちは多様。優れた天子が世に現れる兆しとして古代中国で尊ばれた伝説の鳥“鳳凰”。伊藤若冲《旭日鳳凰図》(展示期間〜2/2)は雄雌の鳳凰の姿を極彩色で煌びやかに描き上げた名品。のたうつような波が打ちつける岩の上に羽根を広げてすくっと立つ鳳凰は、王者の風格を感じさせる。

 空想上の霊獣“唐獅子”を題材にした前田青邨《唐獅子》も見ごたえがある。おおらかなフォルム、太くムラを生かした琳派風の輪郭線、流動感ある毛描き。作品が制作された当時新たに登場したプラチナ箔を使用するなど、斬新で明快な色づかいにも青邨の個性が表れている。

 様々な吉祥のモチーフを楽しみつつ、2025年が良き一年になることを願いたい。

※出品作はすべて皇居三の丸尚蔵館収蔵

「瑞祥のかたち」
会期:開催中~2025年3月2日(日)前期:〜2月2日(日) 後期:2月4日(火)〜3月2日(日)
会場:皇居三の丸尚蔵館
開館時間:9:30~17:00(毎週金・土曜日は〜20:00 ただし1月31日と2月28日はのぞく)※入場は閉場の30分前まで
休館日:月曜日、2月23日(日・祝)、2月25日(火) ※2月24日(月)は開館
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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