1月7日には、トランプの長男、トランプ・ジュニアがグリーンランドを「観光で」訪ねており、それも様々な憶測を呼んでいる。

1月7日、グリーンランドのヌークを訪問したドナルド・トランプ・ジュニア(写真:Emil Stach/Ritzau viia ZUMA プレス/共同通信イメージズ)
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 トランプは、デンマークが抵抗するなら、高い関税を課すと脅しているが、この一連のトランプ発言に対して、デンマークのフレデリクセン首相は、「グリーンランドは売り物ではない」と非難した。

 また、国連のデュジャリック報道官は、「国連憲章は、全ての加盟国が他国の領土保全を尊重する必要性を明確に定めている」と述べ、トランプ発言を批判した。

 トランプは、グリーンランド獲得に軍事力や経済力を行使しないという保証はしないとも述べている。

トランプ発言に欧州諸国も反発

 ヨーロッパ諸国はトランプ発言に批判を強めており、フランスのバロ外相は、「EUは他国に自国の国境を攻撃させない」と反発した。ドイツのショルツ首相も、「国境の不可侵の原則はすべての国に適用される」と強調した。

 デンマークはNATOの加盟国であり、トランプの発言は、NATOの結束を乱しかねない。

 NATOについては、トランプは、加盟国が防衛費をGDPの5%とすることを要求している。これもまた、NATO加盟国間の軋轢を増すことになる。