N国などの戦術、25年の選挙に影響も
東京都知事選で表面化したポスター問題は、「選挙の自由」「表現の自由」との兼ね合いから法規制に慎重な意見があったのも事実です。とくにN国の支持者らからは「規制はおかしい」との声が途切れませんでした。
他方、「規制やむなし」の声は都知事選の後、一気に広がりました。共同通信社が全国の知事を対象として当時実施したアンケートによると、47都道府県知事のうち32人が公選法の改正が必要と回答しました。選挙の実務を担う都道府県のトップの7割近くが法改正に賛成の意向を示していたのです。
首都圏や大都市を抱える都道府県ほど「必要」とする回答が目立っており、いつ、自分たちの地域がこの問題に巻き込まれるか分からないとの危機感の現れとも言えます。
多くの都道府県知事が望んだように公選法改正にはメドが立ってきましたが、N国の候補者などを中心に思わぬ形での選挙が続いています。2025年に行われる選挙は、どのような形になっていくのでしょうか。政策論争だけでなく、選挙運動のかたちにも目が離せません。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。