これからの時代に生き残れない人の特徴

──これからの時代、われわれはどう生き抜けばいいでしょうか?

藤野:これから生き残るには、キャッシュを生む仕組みの中に、どれだけ自分が関われるかにかかっています。それは事業の立ち上げかもしれないし、不動産投資かもしれない。

 そういう時代に一番キツくなるのが、「働くとは汗水たらして働くこと」という価値観を植え付けられてしまった人です。「仕事とは、どこかに所属し、上司の言うことを聞いて、毎月給料をもらうもの」と思っている人には、厳しい時代になっていく。

 これからの時代は、「仕事とは、世の中に対して付加価値や新たなサービスを提供し、資金を回収することなんだ」と意識を変えていかなければいけません。

 そういうことは中小企業や自営業のおじさんたちのほうがわかっているので、今後は彼らのほうがおもしろおかしい人生を歩むかもしれません。反対に「一流企業に入って幸せだ」と思っていた人にはツラい時代になる。いいところに所属することにロイヤリティがあるという価値観は、今後、崩壊していくと思います。

──いわゆる「アニマルスピリッツ(野心)」ですね。

藤野:そう。アニマルスピリッツがあるかどうかがすごく大事。

 こうした変化を悲観する人もいるかもしれませんが、騒ぎが好きな人、革命が好きな人にとっては楽しい時代になると思います。といっても、労働者が政府を転覆するような革命ではなく、個として力の強い人、個として動き回れる人が階級や場所に関係なく変化を起こすという意味ですが。

 2024年に起こった日本の政治の変化や動き、さまざまな企業の買収などは、その予兆だったと思います。まさに今年2025年は、新たな時代のターニングポイントの年になると予想しています。

(編集:若月澪子)

藤野 英人(ふじの・ひでと)
レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長
国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業。「ひふみ」シリーズ最高投資責任者(CIO)。YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」など投資啓発活動にも注力する。東京理科大学上席特任教授、叡啓大学客員教授、淑徳大学地域創生学部客員教授。近著に『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)、『投資家がパパとママに伝えたい たいせつなお金のはなし』(星海社新書)

篠原 匡(しのはら・ただし)
編集者、ジャーナリスト、蛙企画代表取締役
1999年慶応大学商学部卒業、日経BPに入社。日経ビジネス記者や日経ビジネスオンライン記者、日経ビジネスクロスメディア編集長、日経ビジネスニューヨーク支局長、日経ビジネス副編集長を経て、2020年4月に独立。
著書に、『人生は選べる ハッシャダイソーシャルの1500日』(朝日新聞出版)、『神山 地域再生の教科書』(ダイヤモンド社)、『誰も断らない こちら神奈川県座間市生活援護課』(朝日新聞出版)
など。『誰も断らない 神奈川県座間市生活援護課』で生協総研賞、『神山 地域再生の教科書』で不動産協会賞を受賞。テレ東ビズの配信企画「ニッポン辺境ビジネス図鑑」でナビゲーターも務めた。