●ロシア・ガスプロム社がモルドバに天然ガスを輸出するが、沿ドニエストルは法的にはモルドバの一部(ロシアは沿ドニエストルを国家承認していない)だから、モルドバとの契約に沿ドニエストル分も含まれる。
●沿ドニエストルは事実上の独立国の立場を利用し、モルドバ側の契約価格に縛られないことを宣言。
しかしながら供給されたガスの消費は続けガスプロムへの支払いはせずプールして歳入に流用している。
無料のガスは安価なエネルギー料金をもたらしている。
ロシアの天然ガス輸送ルートは、ロシア領~ウクライナ領を経由して、ドニエストル川左岸(沿ドニエストル)、モルドバに至るため、沿ドニエストルはモルドバ側に物理的にコントロールされる前に天然ガスを「輸入」することができる。
ロシアはこうした無料のガス「輸入」を黙認、あるいはモルドバ側の勘定であると主張するが、どちらに対しても積極的な取り立てを行っていない。
沿ドニエストルは最大年間20億m3の天然ガスを消費しているから、単純計算(500ドル/1000m3で換算)で年10億ドル程度の債務が書類上、記録されていくことになる。