最重要のイスラエル、英国は早々に決まる

 トランプ氏が大使人事で重視しているのは、中国やロシアのほか、同盟国である英国、ドイツ、フランス、日本、韓国、インド太平洋圏の主要国、インド、隣国・メキシコ、BRICSの南アフリカ、中近東のイスラエル、サウジアラビア、トルコ、ロシアと対峙するポーランド、中ロに接近しているベネズエラの隣国・コロンビアだ。

 また、事実上の大使に当たる「米国在台湾協会代表」も重要ポストとされている。

 このうちすでに指名されているのは以下の通りだ。

英国:ウォーレン・ステファンズ氏(投資銀行最高幹部)
イスラエル:マイク・ハッカビー氏(元アーカンソー州知事)
フランス:チャールズ・クシュナー氏(娘婿ジャレッド氏の父親)

にわかに重要度増す韓国大使人事

 駐日大使については、「トランプ氏は、日米関係は第1期政権の際には史上最も親密になっただけに特別な関心を持っているとされ、忠誠心のある政財界の大物を指名するのではないか」(トランプ氏周辺)といった声が聞こえてくる。

 トランプ政権発足「前夜」、日本製鉄によるUSスチール買収問題がくすぶり、トランプ氏は買収取引を阻止すると表明している。

 これについて主要シンクタンクの上級研究員はこうコメントしている。

「こうした個別の案件はあるにしても、オバマ~トランプ~バイデン歴代政権が築き上げた強固な日米同盟関係はトランプ2期政権でも変わることはない」

「むしろ心配なのは、親日、親米の韓国・尹錫悦政権に代わる次期政権の動きだ」

「北朝鮮がロシアとの軍事同盟の一環としてウクライナに兵隊を派遣するなど新たな動きが出ており、韓国の言動は米国にとって無視できない」

「韓国の左傾化は危険だ」

 その韓国にトランプ氏は誰を大使として送り込むか、だ。

 第1期政権の時には日系のハリー・ハリス米太平洋軍司令官を送り込んで(韓国の大統領が左派の文在寅氏だったこともあって)ぎくしゃくした。今回は慎重を期すだろう」

 ワシントンの政界筋は、クリスマス休暇前にも駐日、駐韓大使が指名されると見ている。