“必勝パターン”が崩れた
昨年まで7連覇を果たした全日本大学女子駅伝(10月27日)で何が起きたのか。まず3年連続で1区を務めた米澤奈々香(3年)にアクシデントがあった。前々回は後続に19秒差をつける区間賞、前回はトップと3秒差の2位で発進しているが、今回は終盤に大きくペースダウン。先頭と44秒差の9位と出遅れたのだ。
「スタートしてすぐに違和感があったんです。練習を積めていなかった分、自分でしっかり引っ張るようなレースもできず、さらに脱水もあって(先頭集団から)離れてしまいました。レースで脱水症状が出たのは初めてだったので、タスキをつなげられるのか不安でした……」(米澤)
前々回は1区で、前回は2区でトップに立ち、その後は独走したが、今回は追いかけるかたちになった。その後も思うように浮上できず、最終6区の谷本七星(4年)にタスキがつながったのはトップと2分50秒差の6位だった。
「レースが始まってみて、『あれ?』という戸惑いが大きかったかなと思います。私が入学してから名城は先頭しか走っていなくて、流れ的にも凄くいいかたちでもらうことが多かったんです。そのなかでレースを進めていくのは簡単だったと改めて感じましたね。今回は最初から思うようにいかない展開になり、優勝しか狙っていなかった分、ふわふわした気持ちで待っていました。何を目指して走っていいのかわからなくなったんです」(谷本)
主将の谷本は区間2位の力走で拓大と東北福祉大をかわすも4位でフィニッシュ。8連覇を逃しただけでなく、メダルにも届かなかった。
泣き崩れる選手たちを目の当たりにした米田監督は複雑な思いを抱いている。
「今回、立命大がやった駅伝はうちが強かったときと同じような内容です。5連覇した年は3区が終わった時点で1分以上リードしました。仙台の駅伝で勝つには前半勝負がセオリーです。それを今年はできませんでしたが、学生たちが本当にしっかり取り組んでいればできていたんじゃないかなと思います」