韓国も日本の野球に大注目

 台湾にとって、主要国際大会では初優勝の快挙でもあった。スポーツ報知によれば、曽豪駒監督は罰金を払ってまでエースをぶつけた決勝を「日本とすばらしい試合をしたかった」と説明し、「私たちは、ずっと日本に近づくために頑張ろうと話していた」と目標としてきた日本に勝った喜びをかみしめたという。

 その言葉を裏付けるように、台北ドームで行われた2次リーグでの日本戦の注目度は高く、チケットが発売後5分で完売。超満員の観客の熱狂に包まれたが、日本の選手に対してブーイングなどは起きなかった。

 インターネットメディア「THE ANSWER」の記事では、現場を訪れた台湾プロ野球球団の関係者の話として、「台湾の人は日本代表も見たいんです」との談話が紹介された。現地でも大人気を誇るドジャース、大谷翔平選手の効果もあるほか、台湾出身の選手が日本のプロ野球でプレーすることもあり、日本の野球は憧れの存在となっているようだ。

表彰式で記念写真に納まる準優勝の日本ナイン(写真:共同通信社)

 台湾だけではない。日本の野球への関心が高まっている国は他にもある。

 その一つが韓国だ。かつて、WBC決勝などで日本と熾烈な熱戦を繰り広げた韓国は今季、自国のプロ野球(KBO)が1982年のリーグ発足以来、初めてシーズンの観客動員数1000万人を突破するなど好調だ。一方で、近年の国際大会では低迷し、今大会も1次リーグで敗退した。

 アジアでの地位も台湾が上との評価も出る中、日刊スポーツは、韓国のインターネット専門メディア「OSEN」が「世界野球ランキング1位日本の国際大会の連勝が27で途切れた。ホームの東京ドームの決勝戦で台湾に衝撃的な完封負けを喫した」と報じた記事が、韓国最大手ポータルサイトの「この時刻最も読まれた記事」ランキング1位だったことを紹介。日本野球への注目度の高さをうかがわせた。

 東欧のチェコでも日本の野球への関心は高まっている。チェコは2023年春のWBC1次リーグでの対戦で、はつらつとしたプレーや客席に感謝の気持ちを示す姿が共感を呼んだ。その後も日本代表と友好的な関係が続き、今大会前の強化試合では対戦相手として来日した。

 チェコの野球は発展途上だが、9日の試合では3万4000人近い観客の前でプレー。10日の試合で先発したオンジェイ・サトリア投手は自身のX(旧ツイッター)に、「ありがとう日本。トーナメントでの幸運をお祈りしています。最後には金メダルを獲得できると確信しています」と日本語で投稿した。