「ヒガシはうってつけのポジションだった」
平本:ヒガシは「この先を担えるのは自分しかいない」と考えたのでしょう。おそらく、それは正しい。被害者たちと対面して、直接謝罪するという職責を担うに適した人物だと思う。ジャニーズ在籍組の最年長の長兄で、名前も顔もよく知られていますから、そういうポジションにはうってつけだと思う。
雇われ社長を外部から連れてきたり、事務所の幹部だけど名前も顔も知られていない人物があの役を担って職責上謝罪したりしても、謝罪を受けるほうは実感を得ることはできないでしょう。
彼が矢面に立って真摯に謝罪することで、被害者や一般の方からの理解が得られる部分はあると思います。一方で、期間限定の実権のない社長なので、自分の権限で何かを決めたり、情報を発信したりすることができる立場でもない。難しい立場に立っていると思います。
本当は謝罪すべきなのはジュリーさんです。彼女は、ジャニーズの親族であり、会社の資産も、一族の資産も、現在の会社の売り上げも引き継いだ人物です。
でも、ジャニー喜多川性加害の特別調査チームが、同族経営を批判して、彼女が代表でいる限り、ジャニーズの体質は変わらない恐れがあると指摘した。その結果、世間からも「ジュリーを下ろせ」という批判があったので、彼女は従った。
ところが、下りたら今度は「逃げるのか」という声もある。それじゃ彼女もどうしたらいいのか分からないよね。
「ジャニーズを潰せ」という声もありますが、ジャニーズが潰れたら誰が被害者を救済するのか。世間は感情的ですが、必ずしも本当にいい解決策を考えているわけではないと思います。
でも、こういう発言をすると「ジャニーズを擁護するのか」と批判する人もいるんだよね。好き勝手なことを言う外野が多いよね。