・芝居茶屋
芝居街にあり、客が幕間に酒や料理を楽しむ店。
当時の歌舞伎の幕間は長かったので、これを利用して、芝居茶屋の二階座敷に若手役者を呼んで、情交することもできた。
女の客とは性交を、男の客とは肛門性交をする。こうした、男女の客の性の相手をする若手役者を「舞台子(ぶたいこ)」と呼んだ。
・引手茶屋(ひきてぢゃや)
吉原遊廓にあり、客の遊びの案内役である。引手茶屋は客の遊興費すべてを立て替えたので、いわばクレジットカードの役割だった。そのため、客はつい浪費をする。
落語などに吉原で多額の借金を作った若旦那が登場するが、実際は引手茶屋への借金である。
・裏茶屋(うらぢゃや)
吉原内にあった、吉原関係者用の出合茶屋。
客とは寝てはいけないとされていた芸者と客、登楼はできない幇間と遊女、ほかの遊女の馴染み客と遊女など、禁断の仲の男女が利用した。
・色茶屋(いろちゃや)
事実上の女郎屋(遊女屋)で、茶屋女の実態は遊女(娼婦)だった。ただし、表向きはあくまで普通の茶屋である。
男たちの間で、「あそこは色茶屋だよ、女将(おかみ)に話を付ければ、茶屋女と奥の座敷でできるぜ」と、口コミで評判になった。
以上のように、茶屋は多種多様だが、ほとんどが「性」がらみだった。
(編集協力:春燈社 小西眞由美)