日本人が初めて会った米大統領は第15代ブキャナン大統領
日本人が初めてホワイトハウスでアメリカ大統領に謁見したのは、今をさかのぼること164年前、1860年のことでした。
「万延元年遣米使節」と呼ばれている一行の目的は、日米修好通商条約の批准書を大統領と交わすことでした。幕府から命を受けた正使・新見正興(しんみまさおき)、副使・村垣範正(むらがきのりまさ)、目付・小栗忠順(おぐりただまさ)を正規の代表とする総勢77名の遣米使節団は、江戸まで迎えに来たアメリカの軍艦「ポーハタン号」に乗り込んで太平洋を渡り、パナマ鉄道や他の軍艦を乗り継ぎながら、アメリカの首都であるワシントンへと向かったのです。
本連載の主人公である「開成をつくった男・佐野鼎(かなえ)」もこの使節団に従者の一人として参加し、約9カ月間かけて地球を一周。このとき書き記していた詳細な『訪米日記』の内容は、本連載でもたびたび紹介してきました。
以下は日本の使節団がホワイトハウスで第15代のジェームズ・ブキャナン大統領に謁見する様子が描かれたイラストです。
アメリカの人々は、初めて見る東洋のサムライたちの姿に歓喜し、ワシントン、ニューヨークなどでは歓迎のパレ―ドが大々的に催されたことが記録されています。